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Productメープルシロップの生産
「北海道メープルシロップ」を作ること！
私たちがこれまで扱ってきたケベックのメープルシロップとは全く違う、100％日本産…いえ、100％北海道産のメープルシロップを作ろう！というわけです。
北海道のカエデでメープルシロップを作るということは、マーク氏が北海道に来てからずっと抱いてきた夢でもあります。
建設地は石狩管内、札幌より車で約40分の場所にある自然豊かな町、当別町。
私たちの「Maple House」では当別をはじめとする道内の豊かな自然の森に育つイタヤカエデから採取する樹液で、高品質の「北海道メープルシロップ」を生産します。
北海道とカナダの環境には共通点が多く、山林の状態、木々の種類なども似通っています。フランスによるカナダ地方開拓以前より先住民がメープルシロップを作っていたように、北海道ではアイヌの人々もイタヤカエデを“トペニ（乳汁の木）”と呼び、樹液を食していたのです。
本場カナダでメープルシロップがどのようにしてできているかご存じでしょうか？
メープルシロップの元となるカエデ樹液はカエデの樹木に空けた穴にシャルモと呼ばれる採取口を装着し、そこに繋いだチューブを使って採取します。
樹液が採取できる時期は毎年2月～3月頃のわずか4週間。
その間に溜まった樹液を回収し、煮詰めて濃縮すると糖度の高いメープルシロップが作られます。
濃縮率は約40分の1。1Lのメープルシロップに必要な樹液は約40Lということになります。しかしそれはサトウカエデのお話。北海道に自生するイタヤカエデの場合1Lのメープルシロップを作るのに必要な樹液は60Lに上ります！
この手法で出来上がった「北海道メープルシロップ」を新たな地域特産品として、展開することが私たちの目標です。
Environment環境活動
山林の保護や地域振興にも繋げたい
カエデ樹液の採取は、森が豊かであることが大前提です。 そのためには樹の健康を保ち、森をメンテナンスし続ける必要があります。具体的には若木の成長を遮る雑草の除去、カビや周囲の樹が折られる原因となる倒木の排除、植樹など。
これらは人の手が入ったどの山林にも必要なことですが、ボランティアでそれらをまかなうのは現実的に難しいでしょう。その点、メープルシロップという収益が見込める樹は、長期的な育成を必要とする人工林の経営にとっても、森の健康維持にとっても有益というわけです。
カエデの健康を守ることは山林を守るきっかけとなり、北海道の温室効果ガスの森林吸収量を増加させることに発展していくのです。
また、メープルシロップの製造には樹液の採取や煮詰め作業、そして先述のような山林のメンテナンスと、多くの手間がかかります。後述しますが「Maple House」は外部のお客様を呼ぶ場所であると同時に、メープルシロップ製造のための雇用を創出したり、事業者様や山林所有者様にメープルシロップ製造のノウハウをレクチャーしてカエデの有用性を広める場所としたいと考えています。これらの活動は地域振興に繋がるでしょう。
Future今後の展望
- 1私たちの活動を継続的に強化することにより、SDGｓのビジョンである持続可能な社会
- 2森林・林業の再生・発展には、森林に関する科学技術の向上や普及、森林系技術者の確保など、その基盤づくり
- 3地球温暖化の防止、水源かん養などの多面的機能の発揮が期待されている森林を守り育てている林業経営を成り立たせ
- 4現状の評価や保全施策の提案を行うとともに、森林生態系の保全、脅威の排除等の事業に取り組み、生物多様性の保全に貢献
- 5森林生態系に関する幅広い知見と技術を活かして、森林地域での様々な開発や整備の事業と森林環境の保全との両立を提案すること
- 6森林が持続可能に管理されていることを、利害に関係のない第三者「北海道メープル」が検証、認証します。
- 7森林から製品までの連鎖上の各企業及び地方自治体は、認証の情報追跡を可能にするために、「北海道メープル」認証を取得。その森林生産物認証の最終段階として、ロゴマーク付き商品が消費者の皆さんに届き、認証のチェーンでつながれた信頼性を図る。
"地域特産品"から"地域ブランド"へ、
そして「日本一のメープルシロップ」へ
高い品質を維持しながら生産量を拡大しなければなりません。
現時点で決定している敷地内のイタヤカエデは200本あまり。このカエデたちが生産できるメープルシロップは約150Lほどです。短期的な目標として、まず5年以内に樹の本数を500本に増やしたいと考えています。500本の樹があれば単純計算でメープルシロップの生産量は375Lになります。
目標の達成のためには地域の方々や事業者様や山林所有者様、なにより「北海道メープルシロップ」を食べてくれる皆様の力が欠かせません。
「Maple House」は単なる製造工場ではなく交流と情報発信の場として運営していきたいのです。
メープルシロップの製造以外にも当別の緑あふれる森を活かしたアクティビティやイベントを企画しています。
具体的にはメープルタフィ作り体験、ガイド付きメープル森のお散歩会、本場カナダからの専門家によるメープルに関するレクチャー会、社会科見学の受け入れなど。
また、Maple Houseのメープルシロップを商品にするにあたってボトルや看板に描くロゴマークのデザインは、地域交流の一環として地元の小中学校の学生さんに協力を仰ぎ、一緒にブランドを創り上げていきたいと考えています。
イベントや交流施設としての営業は地域振興、地域経済の活性化に。そしてお客様に森の大切さを伝え、事業者様や山林所有者様に"樹液"という新しい森林資源の活用方法を提案することで北海道の森林産業への貢献に繋げていきたいと考えています。